2023 年3月12 日(日)ー3月21 日(火)
CCA Books は、2023 年3 月12 日から21 日までギルバート&ジョージのカタログを特集します。
ギルバート&ジョージは、ロンドンを拠点に活動する二人組のアーティストです。
2人は1967 年ロンドンのアート・スクール、セントラル・セント・マーチンズで出会い、以来一緒に活動を続けています。
アートにまつわるエリート意識に対抗し、主に労働者階級が住む地域にあった自分たちの家を「Art for all」と呼び、そこで作品を発表することもありました。ともに彫刻を学んでいた2人は、雑誌や新聞として発表された「Magazine sculpture」、ポストカードとして制作された「Postal sculptures」、レクチャーとして行った「Lecture sculpture (Bruce McLean とのコラボレーション)」、そしておそらく最も知られているパフォーマンス「Singing sculptures」や「Living sculptures」など、様々なメディアや手法で作品を発表し、彼らの考え、生活、人生そのものが彫刻になるというコンセプトを実践していきました。
ギルバート&ジョージと同時期にセントラル・セント・マーチンズに在籍していたハミッシュ・フルトン、バリー・フラナガン、リチャード・ロングといったアーティストたちも、ギルバート&ジョージと同様に、ロンドンの美術界で力を握っていた教官たちが提示するアートの定義に対抗し、それぞれ独自に活動を展開していきます。こうしたアーティストたちの試みは、現在では当たり前のように見られる現代アートの表現方法やその考え方を生み出す一つの牽引力となったのです。
その後ビデオや写真、ドローイングの作品も数多く制作するようになり、活動の幅を広げていきます。白黒写真のようなドローイングのコラージュは、後にグリッド状に組まれた、写真をベースにした作品に発展していきます。80 年代頃からはそこに明るい色や漫画のような要素を取り入れ、特定のパターンにあてはめたような作品を発表するようになりました。作品の元となるネガや写真、オブジェなどの膨大な資料をギルバート&ジョージは自分たちのスタジオにアーカイヴしていますが、そのスタジオ内の様子がわかる資料も今回展示されます。
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