2020年4月10日ー16日

CCA Booksでは、2020年4月10日から16日まで、アートの雑誌を特集した展示を発表します。
雑誌や新聞は、アーティストやキュレーターにとって、紙面を通して新しい考えを生み出し、議論していく重要な場でした。60―70年代より、ジョセフ・コスースや
ダン・グレアムといったアーティストたちは、雑誌や新聞を用いた作品の制作を
始めました。その結果、美術館やギャラリーといった空間から自由になれる領域で、
改めて「アートが展示される場所」と「観客」の意味を問い直すことになったのです。
雑誌、新聞という多くの人に親しみやすい形で、アートに興味のない人々の手元にも
届き、安価で手に入れられるアートにより、当時の「コンセプチュアル・アート」の動きの中で、アーティストたちは観客と美術界の間にある構造を明らかにし、アート作品を「見る」「買う」といったことについての私たちの認識を広げていくことになりました。
雑誌や新聞のページの中で展開される作品は、予期せず他の記事や広告と隣合わせになり、そこで新たに意味や考えが生まれることもありました。また、同時代に創刊した
アメリカの「October」、英国の「Third Text」といった雑誌では、美術史家や批評家たちが新しい言説を作り出していきました。
今日では、インターネットがこれまでにないつながりを生み、新しいコンセプトを
作り出し瞬時に世界へ向けて発信しています。それによって新しい視点を得た私たちと
「アート」の関係もまた変化し続けるでしょう。
これまでにアーティストやキュレーターがどのように雑誌や新聞を用いて 、アートの基盤としてきたのか、CCA Booksで是非手にとってご覧ください。
展示予定雑誌
Flash Art (70年代)
Zing Magazine
October
Third Text
META by Ute Meta Bauer
ジョセフ・コスース Berliner Chronikプロジェクト
マウリツィオ・カテラン Food
Fruit 他
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